鉄建建設は、NewAct(東京都豊島区)、あき電器(東京都調布市)、久力製作所(茨城県行方市)と共同で、小さな農業用水路やトンネル湧水を排出する中央排水溝など、水量の少ない場所に適した小水力発電装置を開発した。現在は茨城県石岡市の農業用水路で試験運転を実施している。
毎秒0.02m3程度以上の流量と、毎秒1.5m程度以上の流速があれば、水深が10cmほどの浅い水路でも発電するのが特長だ。流量が毎秒0.03m3、流速が毎秒2mの条件下で、最大9.6w出力する。鉄建建設によると、これだけ少ない水量と流速で発電する小水力発電装置は初めて。
装置の要となるのは、水の流れに合わせて開閉する「可動翼タービン」だ。回転体の周囲に16枚の可動翼が付いている。可動翼が上流側にあるときは水圧を受けて開き、水のエネルギーをタービンの回転力に変換する。
他方、下流側では水圧を利用して閉じ、タービンを停止させるように働く逆向きのエネルギーを受け流す仕組み。水が流れる方向が変化しても、それに合わせて水のエネルギーを効率的に受け止める。