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 新名神高速道路の建設現場で2016年4月以降、5件目の死亡事故となった淀川橋の作業員転落は、施工者が安全性を確認せず、発注者に無断で施工方法を変更したことが原因だったことが分かった。西日本高速道路会社が4月18日、事故原因と再発防止策を公表した。

事故の状況。作業員は落下した導枠上に乗っていた(資料:西日本高速道路会社)
事故の状況。作業員は落下した導枠上に乗っていた(資料:西日本高速道路会社)
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事故当時の作業を示した平面図。ガイドローラーは、仮桟橋の鋼管杭の打ち込み位置を固定するためのもの。その両端を支える導枠は、仮桟橋の両側から張り出させる(資料:西日本高速道路会社)
事故当時の作業を示した平面図。ガイドローラーは、仮桟橋の鋼管杭の打ち込み位置を固定するためのもの。その両端を支える導枠は、仮桟橋の両側から張り出させる(資料:西日本高速道路会社)
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 淀川橋建設工事の施工者は、三井住友建設・竹中土木・極東興和JV。今年3月15日、仮桟橋を組み立てるために設置した仮設材のH形鋼が、その上に乗っていた作業員とともに5m下の河川に落下した。

 仮桟橋の鋼管杭を打設する際、杭の打ち込み位置を固定する「ガイドローラー」という枠をあらかじめ河川上に渡しておく。落下したのは、ガイドローラーの両端を支える「導枠」と呼ばれるH形鋼だ。