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 道路舗装に浸入した雪解け水などの影響で路面にポットホール(穴)が生じ、走行中の車のタイヤがパンクするなどの被害がこの冬、北海道で多発した。車の修理費などの賠償を国に求める国家賠償の申請件数が例年の約5倍に膨らんでいる。

 国土交通省北海道開発局によると、2017年度のポットホールに起因する国賠申請件数は約550件に達した。過去5年間の申請件数を見ると、12年度249件、13年度100件、14年度61件、15年度66件、16年度84件で推移しており、同期間の年間申請件数は平均112件。17年度はその約5倍に相当する。

北海道ではポットホール(写真中央)に起因する国家賠償請求が例年の5倍に膨らんだ
北海道ではポットホール(写真中央)に起因する国家賠償請求が例年の5倍に膨らんだ
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 北海道では国賠請求だけでなく、「道路の穴で車が走りにくい」などの苦情も殺到。今年1~3月に、北海道開発局に寄せられたポットホールに関する苦情は325件を数え、昨年の同時期(131件)に比べて倍増している。

 道内の運輸業界も路面状態の悪さに苦慮。トラック協会が3月20日に、ハイヤー協会とバス協会が3月29日に、それぞれ北海道開発局を訪れ、道路の補修を求める異例の申し入れをしている。

 4月18日に会見した北海道開発局の和泉晶裕局長は、「今冬は函館方面で雪が多かったことに加え、3月に温度が0℃を行ったり来たりしたことでひび割れが進むなど様々な要因で、空知管内から札幌市にかけてポットホールが多く発生した」と指摘する。