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 東海北陸自動車道の荘川トンネル建設工事で、内壁に設ける消火栓用の空間(箱抜き)23カ所を、誤って消火器用の形状にしていたことが分かった。発注者の中日本高速道路会社が、箱抜きの位置の変更を施工者に指示するために作成した図面で間違えた。同社が5月2日に発表した。

トンネル内壁の覆工コンクリートに消火設備用の箱抜きを設置(写真:中日本高速道路会社)
トンネル内壁の覆工コンクリートに消火設備用の箱抜きを設置(写真:中日本高速道路会社)
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 荘川トンネルの延長は1069mで、施工者はフジタ。覆工コンクリートの打設が終わり、道路舗装の施工者に現場を引き渡すときにミスが判明した。検査を担当した中日本高速の社員と舗装工事の現場担当者が、消火栓用の箱抜きが全て消火器用の形状で施工されていることに気付いた。

 箱抜きは、覆工コンクリートの壁面に空間ができるように、所定の形状の型枠を設置して形成する。覆工コンクリートの打ち継ぎ目と箱抜きの位置が重ならないようにするため、中日本高速は打設前に箱抜きの位置の変更を指示する図面を作成。変更は位置だけだったが、誤って箱抜きの形状を消火栓用から消火器用に変えてしまった。フジタは、誤った図面に基づいて施工し、施工中もミスに気付かなかった。形状を間違えた理由について、中日本高速は「調査中」としている。