全1627文字
PR

 落札通知のメールのチェックが数十分遅れただけで指名停止に――。こんな出来事が、国土交通省四国地方整備局の入札で起こった。納得のいかない建設会社は、発注者に苦情を申し立てたが、にべもなく退けられた。

 実は、この建設会社は1人の社員を2件の入札の配置予定技術者として重複して申請していたのだ。配置技術者になれる資格を持った社員数には限りがあるので、複数の入札で重複させること自体は珍しくない。1つの案件を落札した時点で、他の入札を辞退すれば問題ない。

 しかし、この建設会社は辞退届を出すのが間に合わず、2件を連続して落札してしまった。2件の落札通知のメールが届いた時間差は、わずか20分だった。

久保建設がほぼ同時に落札した2件の工事の位置。国土交通省の写真に日経コンストラクションが加筆
久保建設がほぼ同時に落札した2件の工事の位置。国土交通省の写真に日経コンストラクションが加筆
[画像のクリックで拡大表示]

 問題の案件は、四国地整高知港湾・空港整備事務所が3月26日に開札した高知港海岸湾口地区堤防の改良工事(工事A)と高知港三里地区防波堤の消波ブロック製作工事(工事B)。

 高知市の久保建設が、同じ社員を配置予定技術者としてAを1億4080万円で、Bを8207万5000円で相次いで落札した。その結果、Bを辞退せざるを得なくなり、「不誠実な行為」をしたとして4月20日から3カ月の指名停止を受けた。同社はこの措置に納得できず、4月24日に四国地整に苦情を申し立てた。

 四国地整によると、所管する指名停止措置の対象企業が苦情を申し立てたのは、少なくとも過去5年間では例のないことだという。