PR

 福岡、大分両県で関連死を含め40人の死者を出した九州北部豪雨から7月5日で1年を迎えた。国土交通省は7月3日、赤谷川など被災した全河川で応急復旧を終え、7割で本復旧契約に至っていることなど、昨年からの緊急治水対策の進捗状況を公表した。

赤谷川の復旧状況(資料:国土交通省)
赤谷川の復旧状況(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 九州北部豪雨では、山間部の河川で土砂や流木を伴う洪水が発生。その状況をリアルタイムで把握できなかったことが被害拡大の一因となった。

 国交省はこうした課題を踏まえ、土砂や流木の捕捉や流出防止のための砂防施設の整備のほか、洪水時の水位監視に特化した低コストの水位計(危機管理型水位計)の設置などを盛り込んだ「九州北部緊急治水対策プロジェクト」に着手。2022年度ごろまでに総額1970億円を投じる計画で、ハードとソフトの両面で再発防止対策を進めている。

 国交省は昨秋、土砂や流木で埋まった河川を掘り起こして状況を確認しなくても災害査定で「全損」と見なせるように運用方法を改善。自治体が迅速に災害査定できるようにしたことで、福岡県は昨年12月に、大分県は今年1月に終了した。

 著しく埋まった河川については、被災した複数の箇所を1区間としてまとめて復旧する災害復旧事業「一定災」を初めて適用し、査定設計書の作成など事務手続きを軽減した。

 こうした制度や事業の活用で、今年5月末までに被災した全河川で応急復旧を終え、全体の約7割で本復旧の契約手続きを完了した。