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 凸版印刷は、型枠の底に敷くだけでコンクリートなどの表面に彫刻を施したような立体的な模様が付けられるシート「ベトンフィット」を開発した。意匠性の高い建物の外壁のほか、公園や橋、歩道の景観材料などの幅広いコンクリート製品に使える。

ベトンフィットを使って打設したコンクリート。絵柄を印刷したシートを型枠にセットしてコンクリートを打った後に、脱型して洗い流せば、絵柄部分だけが削られた仕上がりになる(写真:凸版印刷)
ベトンフィットを使って打設したコンクリート。絵柄を印刷したシートを型枠にセットしてコンクリートを打った後に、脱型して洗い流せば、絵柄部分だけが削られた仕上がりになる(写真:凸版印刷)
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 ベトンフィットは、クラフト紙の両面にポリエチレン樹脂をラミネートした3層構造のシートに、顧客の要望に添った絵柄を特殊インキで印刷して制作する。特殊インキは、セメントの水和反応を遅らせてコンクリートを硬化しにくくする効果を持つ。

 絵柄入りのシートを型枠の底に敷き、生コンクリートを流し込んで固めた後、表面を水で洗い流す。特殊インキに接触していた箇所だけが硬化しないで流れ落ち、絵柄が浮かび上がる仕組みだ。高圧洗浄または、タワシなどで軽く擦りながら水洗いし、はっ水剤を塗布して後処理をする。

 コンクリートは表面にセメント成分が集まり、中に砂や砂利などの骨材が詰まっている。表面を水で洗い流すことで、内部の骨材が露出し、表面色と内部色の2色から成る絵柄が発現する。また表面を削るような形になるため、これまで彫刻でしか表現できなかった質感が出せる。

右側はクラフト紙の両面にポリエチレン樹脂をラミネートした3層構造のシートである「ベトンフィット」。左側はそれを使って表面を仕上げたコンクリート(写真:凸版印刷)
右側はクラフト紙の両面にポリエチレン樹脂をラミネートした3層構造のシートである「ベトンフィット」。左側はそれを使って表面を仕上げたコンクリート(写真:凸版印刷)
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