戸田建設はフローリック(東京都豊島区)と共同で、アジテーター車のドラムに投入してかくはんするだけで高い流動性が得られる、半固形タイプの高機能性流動化剤を開発した。締め固め作業を低減でき、コンクリート打設の生産性向上につながる。
現場で添加する流動化剤は、液体と粉体の2つのタイプが主流だ。これらの流動化剤は、いくつかの課題があった。例えば液体タイプの場合、専門技術者によって適切な添加量を計量管理する必要がある。また、ドラム内壁面に付着すると、その分、ロスが生じる。
他方、粉体タイプは水溶性の袋ごとドラムに投入するのが一般的で、比較的扱いやすいが、複数個が1カ所に偏ると袋も流動化剤も溶けずに残ってしまうことがある。
新しく開発した流動化剤は、セメント100kgに対して1パック(400g)を添加するように、量を調整しているため、投入量を管理しやすい。また、半固形タイプなので手で直接ドラム内に投入するのも容易だ。増粘成分や複数の分散剤を高濃度で調整しており、製品の安定性も高い。
さらに、流動性を長く維持するのも特長だ。従来品は、時間の経過とともに流動性が損なわれ、30分ほどで流動化前と同程度の状態になっていた。新流動化剤は、60分程度は流動性がほとんど損なわれない。120分経過した後でも、打ち込みが可能な程度の流動性は保たれる。その効果は、固まる前のコンクリートの軟らかさや流動性を調べるスランプ試験で実証済みだ。