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 鴻池組と不二製油(大阪府泉佐野市)は共同で、豆腐の絞り汁などの「大豆ホエー」を活用して、揮発性有機化合物(VOC)の汚染土壌を無害化する技術を開発した。天然由来の浄化促進剤として、大豆ホエーを市販の浄化用薬剤の半額程度で販売することを目指す。

加熱濃縮して酸を加えた大豆ホエー(写真:鴻池組、不二製油)
加熱濃縮して酸を加えた大豆ホエー(写真:鴻池組、不二製油)
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 開発した技術では、大豆の加工過程で副生する大豆ホエーを加熱濃縮し、栄養価を高めて使用する。大豆ホエーが豊富に含むタンパク質や糖質を栄養分として、VOCを分解する微生物の働きを活性化させる。

 「市販の薬剤は高い。食品の副生物をうまく使いたいと思っていた」。鴻池組の土木事業総括本部技術本部環境エンジニアリング部の田中宏幸課長はこう話す。土壌や地下水の汚染浄化に従来使っていた薬剤は、1kg当たり2000~4000円だ。大豆ホエーを用いれば、半分のコストで薬剤と同じ効果が得られる。

 開発した浄化促進剤は、掘削した汚染土壌に添加・かくはんして浄化するランドファーミング法や、土壌を大規模掘削せずに地下水に注入して浄化する原位置浄化法に適用する。

ランドファーミング法のイメージ(資料:鴻池組)
ランドファーミング法のイメージ(資料:鴻池組)
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原位置浄化法のイメージ(資料:鴻池組)
原位置浄化法のイメージ(資料:鴻池組)
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