総務省の調査で、建設業では下請け会社の43.4%が発注元から代金を不当に減額されるなど「下請けいじめ」を受けていることが分かった。製造業の26.9%を大幅に上回っている。調査結果を受け、総務省は8月10日、国土交通省などに改善を求める勧告を出した。
総務省行政評価局が昨年11~12月、建設業と製造業の中小企業を対象に、下請け取引などについてアンケート調査を実施した。建設業では下請け取引のある1070社のうち464社が、下請法や建設業法が禁止する行為を受けたことがあると回答。製造業を合わせた全体では、2131社のうち35.1%に当たる749社が禁止行為を受けたと答えている。
禁止行為を受けたと答えた会社にその内容を尋ねたところ、建設業で挙がった上位3つはいずれも契約締結に関する義務違反だった。「書面による契約締結義務違反」が57.1%、「工事着工前の契約締結義務違反」が49.1%、「変更契約の締結義務違反」が48.5%に上る。さらに、「指し値発注」(37.3%)と「工期変更に伴う費用負担」(22%)、「下請け代金の支払い遅延」(17.9%)などが続いた。
製造業も合わせて禁止行為を受けたと答えた749社のうち、国などの相談窓口を利用したのは22社と、2.9%にすぎなかった。さらに、その半数の11社(50%)は「問題解決につながらなかった」と回答している。
相談窓口に対する要望では、「相談しても、親事業者から報復されないようにしてほしい」とする回答が20.3%と最も多かった。「もっと相談窓口の存在を告知するか、国からもっと出向いて欲しい」とする意見が19.5%で続いた。