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 大林組は米国のSRIインターナショナルと共同で、配筋検査の時間を従来よりも25~50%削減する次世代型の自動品質検査システムを開発した。2019年度に現場への導入を目指す。

現場で撮影した画像から鉄筋の位置を自動で判別して、3次元の設計データと重ね合わせてタブレット端末上に表示する(写真:大林組)
現場で撮影した画像から鉄筋の位置を自動で判別して、3次元の設計データと重ね合わせてタブレット端末上に表示する(写真:大林組)
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 開発したシステムでは、現場の鉄筋の配置を確認する際に、図面を持って見比べる作業が不要になる。技術者が撮影した配筋の画像と3次元の設計データをシステムが自動で比較。比較結果を見れば、鉄筋が正しく組み立てられているかを一目で判断できる。

 検査に必要なのは、ヘルメットに装着する複合センサーと専用のタブレット端末の2つだ。

 複合センサーは広域を撮影できるカメラと加速度センサーから成る。現場と3次元の設計データ上に基準点を設定すると、カメラで撮影した画像と加速度センサーのデータから技術者が移動した方向や速度が分かる仕組みだ。作業員が検査しようとしている位置が、図面上のどの箇所に該当するのかをリアルタイムで分析する。

 計測の誤差は数センチメートルで、GNSS (衛星を用いた測位システムの総称)による測位よりも精度が高い。屋内外や広さを問わずに使用可能だ。