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 定期点検は予定通りだが、修繕に大幅な遅れ――。全国の道路構造物の維持管理状況をまとめた「道路メンテナンス年報」によると、2014年度の定期点検で「早期に措置が必要」などと判定された橋のうち、19年度末時点で修繕に着手した橋が2割程度にとどまることが分かった。

IIIやIVと判定された橋の修繕実施状況
IIIやIVと判定された橋の修繕実施状況
(資料:国土交通省)
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 国土交通省が8月28日に公表した年報によると、14年度に点検を実施した橋のうち、次回点検までに修繕すべきとされる健全度IIIやIVと判定されたのは9721橋。そのうち、17年度末までに設計を含めて修繕に着手したのは24%の2287橋だった。

 次回点検までの5年間に当たる15~19年度のうち既に3年が過ぎており、期限までに全ての修繕を終えるのは極めて困難な状況だ。国や高速道路会社と比べて予算や技術職員の数に余裕がない自治体で、修繕の遅れが目立つ。

 一方、点検はほぼ予定通り進んでいる。5年に1回の定期点検が義務付けられた14年度から17年度末までで、点検の実施率は橋が80%、トンネルが71%、道路付属物が75%。5年目に当たる今年度の終わりには100%に達する見込みだ。

点検の実施率
点検の実施率
(資料:国土交通省)
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