西日本豪雨を受けてダムの運用見直しを検討していた国土交通省の有識者委員会は11月27日、操作規則の点検や堆積土砂の除去などを早急に実施するよう求める提言案をまとめた。国交省は提言を基に、同省が管理する全国558カ所のダムで優先度の高い対策から順に実施する。
「異常気象の頻発化に備えたダムの洪水調節機能に関する検討会」(委員長:角哲也・京都大学防災研究所教授)が、同日に開いた会合で提言案を示した。提言内容は、実施する時期に応じて「直ちに対応」、「速やかに着手」、「研究・技術開発などを進めつつ対応」の3つに分類している。
直ちに対応すべき方策は、現在の技術で実施できて、防災や減災の効果がすぐに得られると判断した取り組みだ。豪雨時に水をためられる容量を増やすために、ダムに堆積した土砂を除去することや、水道事業者などと協議して利水のための貯水量を事前に減らしておくことを挙げた。
その他、市町村が避難情報の発令を判断しやすい情報伝達や、住民の避難を促す情報発信が必要だとした。ダムの操作によって川の水量がどう変化するかを説明するセミナーを住民向けに開催するほか、放流警報の内容を変更する。