43人が死亡したイタリア・ジェノバのポルチェベーラ高架橋(通称「モランディ橋」)崩落事故から約4カ月が過ぎた2018年12月18日。ジェノバのマルコ・ブッチ市長は橋の再建に向けて、世界的建築家であるレンゾ・ピアノ氏のデザインを採用したと発表した。総工費は2億200万ユーロ(約260億円)を見込む。
再建する橋の全長は、以前と同じ1100m。構造家の故リッカルド・モランディが設計した旧橋は11径間のプレストレスト・コンクリート(PC)橋だったが、新橋は20径間の鋼橋とする。径間長は大半が50mで、ポルチェベーラ川と鉄道をまたぐ2径間分のみそれぞれ100mだ。以前は片側2車線だったが、新橋は片側3車線になる。
ジェノバ出身のレンゾ・ピアノ氏は、仏パリのポンピドゥー・センターなどの設計で知られる。日本では関西国際空港旅客ターミナルビル、東京・銀座のメゾン・エルメスの設計を手掛けた。土木分野では、熊本県天草市にある「牛深ハイヤ大橋」のデザインを担当した。同橋は1997年度に土木学会田中賞を受賞している。