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 和歌山県田辺市は、老朽化で3年前から通行止めにしている秋津橋(長さ60m)を、補修して存続させることに決めた。橋を管理する市は当初、撤去する方針だったが、住民の反対を受けて検討を続けてきた。

2016年3月から通行止めが続く秋津橋。1971年に建設された。橋脚のコンクリートが剥離しており、定期点検の結果、緊急措置が必要な「IV」と判定された(写真:日経コンストラクション)
2016年3月から通行止めが続く秋津橋。1971年に建設された。橋脚のコンクリートが剥離しており、定期点検の結果、緊急措置が必要な「IV」と判定された(写真:日経コンストラクション)
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 2014年度から義務付けられた5年に1回の定期点検の結果を受けて、老朽化した橋の扱いに頭を悩ませる自治体は多い。財政上の理由で全ての橋を将来にわたって維持し続けることは困難だが、住民の反対などもあってなかなか廃止に踏み切れないのが実情だ。どこに妥協点を見いだすかが課題となっている。

 秋津橋は15年度に実施した定期点検で、健全度が4段階のうち最も悪い「IV」と判定。市は橋を通行止めにするとともに、廃止を検討した。秋津橋の上流と下流合わせて約500mの区間には、国管理も含めて5本の橋が架かる。秋津橋を廃止しても、100mほど迂回すれば他の橋を渡ることができるので、影響は小さいと判断した。

 それでも、橋が無くなれば近隣住民にとって不便になることは間違いない。市の撤去方針に対して、反対の声が上がった。

 秋津橋の存続が決まるまで3年もかかったのは、他の橋の点検結果が出るのを待っていたからだ。近隣住民は、秋津橋だけの点検結果で決めるのではなく、近くにある別の橋も併せて判断してほしいと要望していた。