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 千葉県君津市は5年に1度の橋の定期点検で、従来の近接目視に代えて、ドローンを使った方法を全国に先駆けて導入する。2019年2月の点検要領の改定で、近接目視と同等と認められた方法の採用が可能になったことを受けた取り組みだ。これまでICT(情報通信技術)による点検手法は、補助的な利用にとどまっていた。

 19年5月28日にアイネット(横浜市)、Dアカデミー(君津市)と共同で、適切な撮影方法などを調べる実証実験に着手。20年度からの本格運用を目指す。

ドローンを使ったテスト飛行で市内の「岩の上橋」を点検する君津市の職員。点検結果の診断も担う。実証実験ではDアカデミーが機体の提供や職員への操作方法の指導、アイネットが撮影データの保管や分析を担当する(写真:君津市)
ドローンを使ったテスト飛行で市内の「岩の上橋」を点検する君津市の職員。点検結果の診断も担う。実証実験ではDアカデミーが機体の提供や職員への操作方法の指導、アイネットが撮影データの保管や分析を担当する(写真:君津市)
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 これまで橋やトンネルの点検で原則としていた近接目視は負担が大きく、最近ではドローンなどの新技術が台頭してきたため、国土交通省は点検要領を改正。技術者が「近接目視と同等の情報が得られると判断した方法」で点検してもよいと定めた。

 国交省では、新技術をどのように使うかは自治体の判断に委ねているという。「コンクリートの浮きの有無などドローンだけでは点検できない場合が多いので、技術の特性を見極めて使ってほしい」(国道・技術課)

 しかし、具体的な指針がないため、自治体からは「何の技術をどこまで使っていいのか分からない」といった不満の声が上がっている。全面的な導入には踏み切りづらい状況だった。

 君津市が点検に用いるドローンは30万円程度で購入できる市販品だ。ハイビジョンや、より高精細な4Kで撮影できる。テスト飛行などで性能を確かめたうえで「十分に近接目視の代わりになると判断した」(市道路整備課)。

 市が管理する227橋のうち、桁下から目視できるボックスカルバート形式の橋や、高速道路会社に委託する必要がある跨道(こどう)橋を除いた約100橋の点検にドローンを活用する計画だ。ドローンが入りにくい桁端部の点検や鉄筋コンクリートの橋桁の打音検査などは従来通りの手法で実施する。