九州北部が記録的な大雨に襲われている。気象庁は2019年8月28日午前5時50分、福岡、佐賀、長崎の3県に「大雨特別警報」を発表した。猛烈な雨が局地的に続いており、九州北部で29日午前6時までの24時間に予想される雨量は多い所で200mmに達する。
気象庁は28日午前7時、「これまでに経験したことのないような大雨となっている」と発表。28日午前9時30分時点の1時間降水量では、佐賀市が110mmと1926年からの観測史上1位(それまでは1937年7月25日の101.5mmが1位)を更新した。24時間降水量では、長崎県平戸市(434mm)や佐賀県鳥栖市(385mm)などで記録を更新している。
土砂災害警戒区域や浸水想定区域では、既に土砂崩れや浸水被害が発生している可能性が高い。気象庁は、「直ちに命を守るために最善を尽くす必要のある警戒レベル5に相当する状況。普段災害が起きないと思われている場所でも最大級の警戒が必要だ」と警告した。指定された避難場所にこだわらず、川や崖から少しでも離れた頑丈な建物への避難を呼びかけている。
総務省消防庁の28日午前11時の発表によると、佐賀県武雄市で死者1人となっている。武雄警察署の広報担当者によると、28日午前5時16分に軽自動車が流されたと通報があり、午前7時に車内で心肺停止した男性を発見したという。病院に搬送されたが午前8時48分に死亡が確認された。
消防庁の発表ではこの他、佐賀市と福岡県八女市でそれそれ1人、重傷者が報告されている。住宅被害に関しては、佐賀県内で浸水被害が多数発生しており、現在詳細を確認中だ。長崎県では、床上浸水が12棟(佐世保市6棟、平戸市3棟、対馬市3棟)、床下浸水は22棟(佐世保市3棟、平戸市7棟、対馬市11棟、佐々町1棟)発生している。