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 大阪市の上水道工事で仕様書と異なる安価な埋め戻し材が使用された問題で、市水道局は2019年9月26日、不正を働いた438社に損害賠償を求めると発表した。正規の材料との差額や路面の調査費用などを請求する。合計額は6億円を超える見通しだ。
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不正が最初に発覚した大阪市住吉区沢之町2丁目の現場。写真は、上層路盤材を採取しているところ(写真:大阪市)
不正が最初に発覚した大阪市住吉区沢之町2丁目の現場。写真は、上層路盤材を採取しているところ(写真:大阪市)
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 市の調査で不正が判明した工事は1117件に上る。そのうち、正規の埋め戻し材への入れ替え工事を終えた8件と入れ替え工事中の1件を除く1108件に対し、路面に異常がないかどうか確認した後、賠償請求する。19年度内に請求手続きを終える予定だ。

 具体的には、(1)正規の埋め戻し材で入れ替え工事を実施(2)今後10年間の瑕疵(かし)担保責任を負ったうえで、使用した材料と正規の材料との差額を負担――のいずれかの対応を求める。どちらの場合も、路面状況の確認に要した費用と年5%の遅延利息を併せて請求する。(1)は負担が大きいので、ほぼ全ての会社が(2)を選ぶとみられる。

 市は、不正があった工事に対し、目視による確認の他、路面に重りを落として生じるたわみの量を測定する「FWD試験」を実施して、舗装の健全性を調査している。19年8月末時点で66件の調査を終え、異常がないことを確認した。今後、異常が見つかった場合は、その工事の施工者に対して即座に入れ替え工事を実施するよう求める。

 66件の調査費用は429万円、使用された材料と正規の材料との差額は約1800万円に上る。市はまず、この66件を施工した53社に損害賠償を請求する。