全711文字
PR
4/1朝まで
どなたでも有料記事が読み放題「無料開放デー」開催中!

 静岡市駿河区にある東名高速道路の中吉田高架橋で塗装工事中に火災が発生し、作業員1人が死亡、10人が重軽傷を負った。塗装の除去作業中に、橋桁の下の吊り足場を覆う防炎シートから燃え広がったとみられる。

火災が起きた東名高速道路の中吉田高架橋(写真:中日本高速道路会社)
火災が起きた東名高速道路の中吉田高架橋(写真:中日本高速道路会社)
[画像のクリックで拡大表示]

 中日本高速道路会社によると、火災が発生したのは2019年11月21日午前11時過ぎ。延長38m、幅18mにわたって延焼し、およそ2時間後に消し止められた。

 塗装工事は、ショーボンド建設が中日本高速から受注した補修工事の一部。施工計画書によると、塗装の除去に引火性の薬剤は用いていない。足場内の高さは2.5mで、換気の状況などは分かっていない。

道路上で撮った消火中の様子(写真:中日本高速道路会社)
道路上で撮った消火中の様子(写真:中日本高速道路会社)
[画像のクリックで拡大表示]

 塗装工事中に吊り足場内で出火する事故は過去にも発生している。14年3月に首都高速3号渋谷線、15年2月には首都高速7号小松川線で火災が発生。小松川線では作業員2人が死亡した。

 渋谷線の火災は、作業員が施工計画書に記載していないシンナーを使い、仮設照明の白熱電球に付着させたことが原因だった。小松川線の現場ではこれを受け、シンナーの使用を施工計画書に記載し、仮設照明にLEDを使用していた。しかし、消防法の上限を超える塗料やシンナーを現場に置いていたことが、火災の一因となった。

 中日本高速は首都高で相次いだ火災事故を受け、15年4月に塗装塗り替え作業に伴う留意事項を改定。防炎シートや消火器などの設備計画の作成を求めるなど、安全管理を強化していた。出火した東名高速の現場でも、留意事項を満たす施工計画書を作成していた。

塗装塗り替え作業に伴う留意事項の改定のうち、火災対策強化に関わる項目。中日本高速道路会社への取材を基に日経コンストラクションが作成
塗装塗り替え作業に伴う留意事項の改定のうち、火災対策強化に関わる項目。中日本高速道路会社への取材を基に日経コンストラクションが作成
[画像のクリックで拡大表示]

 現場で施工計画書通りの作業が行われていたかどうかを含めて、原因を調査中だ。橋桁の損傷は軽微だったので、11月25日の午前2時半ごろに全ての通行規制を解除した。