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 広島高速道路公社は、シールドトンネル工事の当初契約に主要資材の費用を含めていなかった問題で、契約金額を200億円から287億円に増額することで施工者と合意した。不透明な当初契約に広島県議会などで厳しい批判の声が上がったことを受け、再発防止策として入札・契約手続きに対する第三者のチェックを強化する。公社が2019年11月14日に明らかにした。

広島高速5号線シールドトンネル工事現場の坑内で後方から見たシールド機。2019年10月に撮影(写真:広島高速道路公社)
広島高速5号線シールドトンネル工事現場の坑内で後方から見たシールド機。2019年10月に撮影(写真:広島高速道路公社)
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 問題となったのは、広島市内に建設中の高速5号線シールドトンネル(延長1.4km)。公社が入札参加者と技術提案を基に交渉したうえで入札を行い、契約を結ぶ「設計・施工提案交渉方式」を採用した。唯一の入札参加者だった大林組を代表とするJVと、実施設計などの契約を16年5月に、本体工事などの契約を17年3月に締結した。

 15年11月の入札公告で、公社は契約金額の上限を200億円と設定していた。しかし、この金額は当時の資材価格の水準に合わなかったため、大林組JVは交渉の過程で見積書を鉄筋コンクリート(RC)セグメントなどの金額を含まないものに変更。見積金額を200億円以内に抑えて公社と契約した。その後、公社が18年10月に大林組JVから主要資材分の増額を要求されていることを発表し、契約トラブルが明るみに出た。

 公社と大林組JVは契約を修正するため、RCセグメントなどを抜く前の見積もりを基に、契約金額について改めて協議。精査の結果、当初契約より87億円多い287億円と算定した。

 この現場では18年12月にシールド機の破損事故が起こり、工事が半年ほど中断した。公社は事故と工事中断に伴う費用の増加は施工者が負担し、契約金額には含めないとしている。20年7月に予定していた工事の完成は遅れる見込みだが、具体的な時期については「掘削実績などを踏まえ、検討を進めている」(広島高速道路公社建設課)。