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完成後に杭基礎の強度不足が判明したポロ沼地区第11号排水路上流工区の函きょ。農道の土留めとなる翼壁は右岸側(左手前)よりも左岸側の方が長い(写真:国土交通省)
完成後に杭基礎の強度不足が判明したポロ沼地区第11号排水路上流工区の函きょ。農道の土留めとなる翼壁は右岸側(左手前)よりも左岸側の方が長い(写真:国土交通省)
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 国土交通省北海道開発局が優良業務として表彰した水路の設計で、杭基礎の強度不足が判明した。水路は2017年に完成しており、会計検査院による検査で設計ミスを指摘された。北海道開発局は設計を担当した二水測量設計(札幌市)を19年12月25日から1カ月の指名停止とした。

施工中のポロ沼地区第11号排水路上流工区。コンクリート打設後の函きょを左岸側から見ている(写真:国土交通省)
施工中のポロ沼地区第11号排水路上流工区。コンクリート打設後の函きょを左岸側から見ている(写真:国土交通省)
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 ミスがあったのは、北海道開発局が稚内開発建設部管内の猿払村に整備したポロ沼地区第11号排水路上流工区。排水路の本体は幅2.6m、高さ2m、延長5.7mの函きょで、翼壁と一体化した構造だ。翼壁は水路上を横断する農道の盛り土の土留め擁壁となっている。工費は約1億7000万円で、地元の共成建設(北海道稚内市)が施工した。

 北海道開発局は水路の設計を13年度に発注し、翌14年度に優良業務として稚内開建の部長表彰を与えた。同局農業水産部農業整備課によると、表彰の理由は排水路を横断する道の幅が適正となるように、通行する農業用車両の軌跡をシミュレーションして翼壁の設計に反映させたことなどだった。