全1002文字

 国土交通省は、浮体式洋上風力発電の建設費を削減するため、技術基準を改定する。浮体施設に穴が開いても転覆しないようにする浸水対策の要件を緩和し、構造を簡素化できるようにする。

 2020年2月6日まで意見募集し、2月上旬に改定する予定だ。同様の内容を、設計者向けのガイドラインにも反映する。

洋上風力発電の浮体施設を区画割りする場合(左)としない場合(右)のイメージ。区画割りをしないと、浮体に穴が開いた場合に浸水が内部全体に拡大し、転覆する可能性がある(資料:海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所)
洋上風力発電の浮体施設を区画割りする場合(左)としない場合(右)のイメージ。区画割りをしないと、浮体に穴が開いた場合に浸水が内部全体に拡大し、転覆する可能性がある(資料:海上・港湾・航空技術研究所海上技術安全研究所)
[画像のクリックで拡大表示]

浮体式洋上風力発電施設のイメージ。タワーや浮体施設、係留装置は、船舶安全法の「特殊船」に該当する(資料:国土交通省)
浮体式洋上風力発電施設のイメージ。タワーや浮体施設、係留装置は、船舶安全法の「特殊船」に該当する(資料:国土交通省)
[画像のクリックで拡大表示]

 浮体式洋上風力発電施設は、船舶安全法が定める「特殊船」に該当する。そのため、国交省海事局が発電施設の構造や設備の要件を技術基準にまとめ、船舶として審査する。

 現行の基準では、浮体施設に水密甲板や隔壁を設けて区画割りするよう求めている。改定後は、船舶の航行が少ない海域などで衝突の恐れが小さいと判断できる場合に、区画割りを不要とする。

 国交省は18年度から、有識者などで構成する検討会で浮体構造などの簡素化の方法を検討してきた。今回は、検討内容を踏まえた基準改定の初弾となる。さらにコストを削るため、今後は浮体施設で一般的な鋼製に加え、近年開発が進む安価なコンクリート製浮体の安全評価手法を確立する方針だ。

コンクリート製の浮体を採用した洋上風力発電施設の例。仏イデオルの「ダンピングプール」という技術を使っている。大成建設とイデオルは2019年10月11日、コンクリート製の浮体基礎を共同開発する覚書を締結したと発表した(写真:イデオル、大成建設)
コンクリート製の浮体を採用した洋上風力発電施設の例。仏イデオルの「ダンピングプール」という技術を使っている。大成建設とイデオルは2019年10月11日、コンクリート製の浮体基礎を共同開発する覚書を締結したと発表した(写真:イデオル、大成建設)
[画像のクリックで拡大表示]

この記事は有料会員限定です

日経クロステック有料会員になると…

専門雑誌8誌の記事が読み放題
注目テーマのデジタルムックが読める
雑誌PDFを月100pダウンロード

有料会員と登録会員の違い