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 大成建設は、地下水の環境基準で定める複数の汚染物質を同時に分解する世界初の微生物「N23株」を発見した。近年規制が強化されている1、4-ジオキサンやクロロエチレンで汚染された地下水を、国が定める環境基準値以下に低コストで浄化する。

大成建設が発見したN23株(資料:大成建設)
大成建設が発見したN23株(資料:大成建設)
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 環境省は「地下水の水質汚濁に係る環境基準」で、28種類の汚染物質の基準値を定めている。そのうち17種類を占める有機性化学物質の浄化では、これまでも微生物を用いる方法があった。ただし、1つの物質の分解にたけた微生物ばかりで、複数の物質に効くものはなかった。N23株は、17種類のうち12種類を分解できると確認済みだ。

 水1L当たりにつき、1、4-ジオキサンやクロロエチレン、トリクロロエチレンなど9種類の有機性化学物質を1mgずつ含む模擬的な汚染地下水の分解試験では、1日で全ての物質を0.001mg未満まで減らした。

地下水の環境基準で指定している有機性化学物質。N23株で12種類の物質を分解できることを確認した。太字のクロロエチレン、1、4-ジオキサンは、2017年度に土壌の汚染に関する環境基準項目に新たに登録され、今後対策が求められる有機性化学物質だ。チラウムやチオベンカルブ、シマジンは、農薬に含まれる(資料:大成建設)
地下水の環境基準で指定している有機性化学物質。N23株で12種類の物質を分解できることを確認した。太字のクロロエチレン、1、4-ジオキサンは、2017年度に土壌の汚染に関する環境基準項目に新たに登録され、今後対策が求められる有機性化学物質だ。チラウムやチオベンカルブ、シマジンは、農薬に含まれる(資料:大成建設)
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 「1、4-ジオキサンの分解菌は、世界的に見ても少数しか発見されていない。加えて、幅広い物質を短時間で分解できた事例は初めてだ」と、大成建設技術センター都市基盤技術研究部微生物・化学チームの山本哲史主任研究員は話す。

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