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住宅地では非開削工法で施工

 一方、横浜環状南線は、横浜市戸塚区の戸塚ICから金沢区の釜利谷JCTまでを結ぶ延長8.9kmの路線だ。栄区庄戸地区の庄戸トンネルは住宅街に近接するので、粉じんや騒音、振動を抑えるため、開削工法から非開削工法に変えた。

横浜環状南線の概要。庄戸地区で工法を変更する(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
横浜環状南線の概要。庄戸地区で工法を変更する(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
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横浜環状南線の庄戸地区の施工区間。施工箇所の周辺は住宅が密集している(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
横浜環状南線の庄戸地区の施工区間。施工箇所の周辺は住宅が密集している(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
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 同トンネルでは、地表面までの距離が3~4mとなる低土かぶり区間がある。非開削工法の検討を始めた当初は、先進導坑を馬てい形のNATMで掘削する計画だった。低土かぶり区間では地山の変位を防ぐため、頂部の導坑を円形に変えて土圧のバランスを向上させる。

横浜環状南線の庄戸トンネルで実施する安全対策の例。開削工法から非開削工法に変えて、粉じんや振動を抑える(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
横浜環状南線の庄戸トンネルで実施する安全対策の例。開削工法から非開削工法に変えて、粉じんや振動を抑える(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
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 近接する釜利谷西トンネルとの接続部付近ではランプトンネルと分岐・合流するため、断面が大きくなる。東日本高速は、高い技術力を要すると判断し、庄戸と釜利谷西の両トンネルを合わせた約1kmの区間で、設計に施工者のノウハウを反映するECI方式を採用。19年5月に鹿島・前田建設工業・佐藤工業JVと技術協力業務の契約を結んだ。今後、交渉が成立すれば、施工契約も結ぶ。

横浜環状南線の庄戸トンネルと釜利谷西トンネルの平面図。低土かぶり区間や大断面を含み、設計や施工に高い技術力が必要(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
横浜環状南線の庄戸トンネルと釜利谷西トンネルの平面図。低土かぶり区間や大断面を含み、設計や施工に高い技術力が必要(資料:国土交通省、東日本高速道路会社)
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 その他、横浜環状南線では地質調査で環境基準を超えるヒ素が検出され、処分費が必要となった。栄JCT―戸塚IC間などでは軟弱地盤が判明し、地盤改良を実施する。こうした要因で全体の事業費は1100億円増え、約5820億円となった。