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 谷や斜面に土を盛った「大規模盛り土造成地」が地震で滑動する問題に対して、国土交通省は危険な造成地の公表と事前の耐震工事を加速させる。2022年度までに、全国にある危険な造成地の調査計画の作成完了を目指す。加えて事前の工事に対する補助率を、最大で2倍に拡大する。

1月30日に開催した大規模盛土造成地防災対策検討会の第5回会合(写真:日経コンストラクション)
1月30日に開催した大規模盛土造成地防災対策検討会の第5回会合(写真:日経コンストラクション)
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 2020年1月30日に開催した「大規模盛土造成地防災対策検討会」(委員長:二木幹夫・ベターリビングつくば建築試験研究センター総括役)がまとめた報告書で、明らかにした。

 盛り土造成地の滑動崩落は、大きな地震のたびに発生している。11年の東日本大震災、16年の熊本地震、18年の北海道胆振(いぶり)東部地震で起こった宅地被害の復旧費は総額で約1000億円に上った。

 国は面積が3000m2以上などの大規模な盛り土の分布についてマップを公表中だ。その後、詳細に調査して分布の中から、地震時に滑る可能性のある危険な盛り土を抽出している。危険な箇所は造成宅地防災区域に指定し、地震の発生に備えて滑動崩落防止対策を実施する方針だ。ただし、これまでに事前の対策を講じた自治体は、兵庫県西宮市と大阪府岬町のみだ。

 事前対策を実施すれば被害を軽減し、復旧の費用を低減できる。例えば、西宮市や岬町の盛り土箇所で事前対策を講じる前に地震が起こった場合、想定される被害額と復旧費の合計の試算は、事前対策費の10倍に上る。

兵庫県西宮市で実施した事前対策工事。地震による滑動崩落で16軒が被害を受ける恐れがあったために、約1億9000万円をかけて工事を実施した。大規模盛土造成地防災対策検討会の第2回会合の資料から抜粋(資料:西宮市)
兵庫県西宮市で実施した事前対策工事。地震による滑動崩落で16軒が被害を受ける恐れがあったために、約1億9000万円をかけて工事を実施した。大規模盛土造成地防災対策検討会の第2回会合の資料から抜粋(資料:西宮市)
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