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 国土交通省は、2019年10月の台風19号で堤防が決壊した千曲川を含む信濃川水系の流域で、事業費1227億円の治水対策に着手する。

 川幅が狭い「狭窄(きょうさく)部」の解消や遊水地の新設、堤防の整備などで越水を防ぐ。田や学校のグラウンドを活用して豪雨時に雨水をためるなど、地域と連携した対策も盛り込んだ。

信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの概要(資料:国土交通省)
信濃川水系緊急治水対策プロジェクトの概要(資料:国土交通省)
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 国交省北陸地方整備局などが20年1月31日、「信濃川水系緊急治水対策プロジェクト」を発表した。長野県や新潟県、千曲市など流域の自治体と国が連携して事業を進め、27年度までに完了させる。

 千曲川は、盆地と山あいを交互に流れるため、川幅が大きく変化する。長野市穂保付近の盆地では川幅が約1050mあるのに対し、数キロメートル下流にある山間部の中野市立ケ花付近では約260mと一気に狭まる。

千曲川は盆地と山あいを交互に流れ、川幅が大きく変化する(資料:国土交通省)
千曲川は盆地と山あいを交互に流れ、川幅が大きく変化する(資料:国土交通省)
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 こうした狭窄部では、洪水時に流れる大量の水がせき止められる。上流側で水位が上昇し、氾濫の危険性が高まる。台風19号の際に穂保付近で生じた氾濫の一因と考えられている。そこで、立ケ花に加え、川幅が150~300mに狭まる飯山市戸狩の2カ所で河道掘削をして水を流れやすくする。