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民有の急傾斜を整備する難しさ

 斜面の石積み擁壁が下層部だけだった理由は不明だ。マンション販売元であるプロスペクト(東京・渋谷)の総務部担当者は、「マンション施工時に、斜面は既に現在の状態だった。建設は県の基準に基づいて実施した」と説明。施工以前の土地造成については分からないという。

急傾斜地法に基づく「急傾斜地崩壊危険区域」の条件を示した図(資料:神奈川県)
急傾斜地法に基づく「急傾斜地崩壊危険区域」の条件を示した図(資料:神奈川県)
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 県は、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」(急傾斜地法)に基づき、住民から要望のあった傾斜度が30度以上、高さ5m以上などの要件を満たす崖を、「急傾斜地崩壊危険区域」に指定する。同法12条では、地権者などによる急傾斜地崩壊防止施設の整備が困難な場合、都道府県が整備を肩代わりできる。

 ただし、急傾斜地法に基づいて公費で対策を施せるのは自然斜面だけだ。おおよそ半分の高さまで人工的な擁壁で覆われている斜面は「人工崖」と見なされる。県横須賀土木事務所工務部急傾斜地第一課の畑澤俊課長は、「人工崖は地権者が土砂崩れなどの対策をすべきで、基本的に公費による整備は行わない」と説明する。

 ライオンズグローベル逗子の丘は傾斜度などが急傾斜地崩壊危険区域の規定基準に合致するものの、傾斜全体では人工崖と扱われる。

迂回路から土砂崩落の現場を望む。2月6日撮影(写真:日経クロステック)
迂回路から土砂崩落の現場を望む。2月6日撮影(写真:日経クロステック)
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 ライオンズグローベル逗子の丘の管理は大京アステージ(東京・渋谷)が手掛けている。同社の親会社であるオリックスの広報担当者は、「土砂崩落の原因調査が始まったばかりなので確定的なことは言えないが、当面は管理組合をサポートしていく」と話す。