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 敵対的TOB(株式公開買い付け)の渦中にある前田道路が、道路舗装最大手のNIPPOと手を組む。両社は2020年2月27日に都内で記者会見を開き、資本・業務提携に関する協議を開始すると発表した。それぞれが5%程度の株式を持ち合い、様々な事業分野でシナジーの創出を目指す。株式持ち合いの方法や提携する業務の内容は、今後の協議を通じて決定する。両社のアスファルト合材工場は、全国で合わせて200カ所以上に上る。将来は生産設備の統廃合も見据えた協業運営を模索する。

資本・業務提携を発表した前田道路の今枝良三社長(右)とNIPPOの吉川芳和社長。提携を通じてアスファルト合材の生産設備の統廃合などシナジーを創出すると意気込む(写真:日経クロステック)
資本・業務提携を発表した前田道路の今枝良三社長(右)とNIPPOの吉川芳和社長。提携を通じてアスファルト合材の生産設備の統廃合などシナジーを創出すると意気込む(写真:日経クロステック)
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 前田道路は、グループ会社の前田建設工業からTOBを仕掛けられたことを受け、2月20日に総額535億円の特別配当を20年3月期に実施すると発表している。自社の資産価値を意図的に下げる対抗措置だ。NIPPOとの資本・業務提携も前田建設工業に対するけん制との見方もできる。しかし、会見に臨んだ前田道路の今枝良三社長は、「NIPPOとの資本提携は企業価値を高めるためだ。(前田建設工業による)TOB対策とは別物と考えていただきたい」と語った。

 NIPPOの吉川芳和社長も会見で、「TOBに関しては一切考慮せず前田道路との資本・業務提携を考えた」と説明。加えて、「TOBの結果にかかわらず、前田道路と当社のシナジーが失われない限りは、資本・業務提携を進める話を解消することはない」と述べた。今回の提携については19年12月に、NIPPO側から前田道路に打診したという。そのタイミングについて、前田建設工業が前田道路にTOBを持ち掛けた19年12月4日より以前であったかは明言しなかった。

 前田建設工業はこの会見の同日に、それまで3月4日に設定していたTOB期限を3月12日に延長すると発表した。前田道路の大規模な特別配当の発表を受けた措置だ。TOBに関する届け出書の内容も一部変更し、TOBを撤回する可能性があると明記した。一方で、報道発表資料には「TOBの撤回等を行うか否かについて決定した事実はない」と記載している。

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