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治山ダムを構成する鋼矢板で切断や打ち込み不足といった施工不良が生じた箇所の例。渓流を挟んで東寄りに位置するC4の「セル」の根入れ部分に見つかった。補修工事でコンクリート板を取り付ける位置を赤い画像で示している(資料:熊本県)
治山ダムを構成する鋼矢板で切断や打ち込み不足といった施工不良が生じた箇所の例。渓流を挟んで東寄りに位置するC4の「セル」の根入れ部分に見つかった。補修工事でコンクリート板を取り付ける位置を赤い画像で示している(資料:熊本県)
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 熊本県が南阿蘇村に造った治山ダムで、鋼矢板の切断や打ち込み不足などが見つかった。地中にあった硬い岩盤や転石を避けるため、施工者が勝手に切断したとみられる。県は2020年3月10日、補修に着手したと明らかにした。

南から見た南阿蘇村の治山ダムの全景。C1~C5の5基のセルなどで構成する。C1以外の4基に施工不良があり、C3~C5の3基は補修が必要だった(写真:熊本県)
南から見た南阿蘇村の治山ダムの全景。C1~C5の5基のセルなどで構成する。C1以外の4基に施工不良があり、C3~C5の3基は補修が必要だった(写真:熊本県)
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 問題があった治山ダムの建設工事は、県が16年4月の熊本地震で山腹から流出した渓流内の土砂への対策として、2億5093万円で吉田組(熊本県天草市)に発注した。鋼矢板を連結した筒状の外殻に土砂を詰めた「セル」などで構成する。直径約11~13mのセルを、渓流を挟んで西側に2基(C1、C2)、東側に3基(C3~C5)配置している。

 ダムは19年3月に完成。その後、同年5月から8月にかけて、県は外部から「埋設した矢板の一部を切断し、設計と異なった施工をしている」などと通報を受けた。県は通報者を明らかにしていないが、工事関係者とみられる。

 県と吉田組が19年10月に現場を掘削して調査したところ、C1以外の4基のセルを構成する鋼矢板のうち、総数の4%に当たる13本の下端に切断や部分的な切除が見つかった。いずれも吉田組が県に提出した工事関係書類の現場写真には写っていなかったという。

 切断による打ち込み不足の長さは最大で25cm。切除された箇所は最長で2.1mだった。13本の矢板の長さは5~16mと様々だった。県は、矢板の切断などが外殻自体の強度に与えた影響は小さいとみる。しかし、中に詰めた土砂が切断箇所などから流出すると、砂防ダムとしての構造強度が損なわれる恐れがあると判断した。

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