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 山口県下関市と北九州市を新たに結ぶ「下関北九州道路」について、海上部はトンネルよりも吊り橋が妥当とする調査結果を国土交通省がまとめた。関門海峡に存在する可能性のある活断層のリスクに対応しやすい点を評価した。国交省や関係自治体で構成する「下関北九州道路計画検討会」が2020年3月26日に開いた会合で公表した。

下関北九州道路の海上部に建設する吊り橋のイメージ。主塔周辺で、断層の有無を確かめるためのボーリング調査などを実施する必要がある(資料:国土交通省)
下関北九州道路の海上部に建設する吊り橋のイメージ。主塔周辺で、断層の有無を確かめるためのボーリング調査などを実施する必要がある(資料:国土交通省)
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下関北九州道路の海上部における橋とトンネルの比較(資料:国土交通省)
下関北九州道路の海上部における橋とトンネルの比較(資料:国土交通省)
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 下関北九州道路は、関門トンネルと関門橋に次いで3つ目となる関門海峡の横断道路だ。財政難などの理由で08年に整備計画が凍結されたが、国交省が19年度に調査再開を決めた。事業化に向けて地質や気象条件の調査、有識者への意見聴取を実施し、道路のルートや構造形式を検討している。

 海上部で橋が妥当と判断した決め手は、北九州市小倉北区から小倉南区にかけて分布する小倉東断層への対応だ。

 既存の研究結果などから、小倉東断層が関門海峡まで延び、下関北九州道路の建設場所を通っている可能性がある。関門海峡の地質は岩盤が主体で、断層の変異が局所的に生じる恐れもある。

 「有識者への意見聴取から、小倉東断層による下関北九州道路への影響は不明確な部分が多いと結論付けた。海上部での断層の有無や位置、変位量が分からないなかで、リスクに対応しやすい構造を選びたい」と国土交通省九州地方整備局道路計画第一課の野村文彦課長は話す。

下関市周辺の地質状況。太線は活断層、破線は推定の活断層(資料:産業技術総合研究所)
下関市周辺の地質状況。太線は活断層、破線は推定の活断層(資料:産業技術総合研究所)
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関門海峡の地質縦断図。着色部は全て岩盤層(資料:国土交通省)
関門海峡の地質縦断図。着色部は全て岩盤層(資料:国土交通省)
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