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 国土交通省が生産性向上策「i-Construction」を打ち出して4年が過ぎ、新技術の活用を後押しする基準が充実してきた。2020年3月26日には、新たに作成した18の基準類を公開。併せて33のマニュアルを見直した。

 対象は、ICT(情報通信技術)施工の出来形管理要領やBIM/CIM(ビルディング/コンストラクション・インフォメーション・モデリング)の活用ガイドラインなど幅広い。ドローンを使った空中写真測量で必要だった「標定点」と呼ぶ目印の設置の省略も認めた。

深層混合処理によるICT地盤改良工のフロー図と技術の活用例。フロー図のうち、青枠で囲まれた改良長の管理などにICTを活用する(資料:国土交通省)
深層混合処理によるICT地盤改良工のフロー図と技術の活用例。フロー図のうち、青枠で囲まれた改良長の管理などにICTを活用する(資料:国土交通省)
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 新たに作成した基準の一例が、20年度からICT施工の対象となった工種の出来形管理要領だ。深層混合処理によるICT地盤改良工では、かくはん機の挿入位置をGNSS(衛星を使った測位システムの総称)を用いて記録・管理する手法などを示した。路面切削を伴う舗装修繕工では、切削機の移動経路など施工中に得られるデータを基に出来形を管理する手法を規定した。

 法面工では、ICTの活用対象を吹き付け法枠工に拡大。出来形管理にレーザースキャナーやドローンで記録した3次元点群データを利用できるようにした。点群データから法枠の幅や高さを求める。従来は、作業員が法面上部からロープを伝ってぶら下がり、計測テープなどで測っていた。

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 スマートフォンで撮影した動画から土量などを求め、出来高算出に用いる技術もマニュアル化した。技術者は専用のアプリを入れたスマートフォンを持ち、積み上げた土砂の周囲を撮影しながら歩く。記録した動画を基に3次元点群データを作成し、土量を算出する仕組みだ。専用の測量機器がなくても簡易に計測できる。

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スマートフォンなどで土工事の出来高を算出するイメージ。新たな基準では、計測誤差などを考慮し、求めた土量の9割を上限として出来高に計上できると定めた(資料:国土交通省)
スマートフォンなどで土工事の出来高を算出するイメージ。新たな基準では、計測誤差などを考慮し、求めた土量の9割を上限として出来高に計上できると定めた(資料:国土交通省)
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 一方、既存の基準類については、施工者や学識者から見直しに関する意見などを公募している。集めた意見や技術を検証して基準改定につなげたのが、ドローンを使った空中写真測量による出来形管理要領だ。