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 清水建設や鹿島など主要建設会社が2020年4月中旬から中断していた工事の再開に続々と動き始めた。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、各社は雪崩を打ったように工事を一時中止していた。一方、大林組やフジタなどは、政府の緊急事態宣言の延長に合わせ、原則として工事中断期間を延ばす方針を掲げている。

東京都港区の清水建設の建設現場。同社は5月6日、新型コロナウイルスの影響で中断していた工事を再開すると発表した。写真は5月7日昼ごろの様子。現場では作業音も聞こえた(写真:日経クロステック)
東京都港区の清水建設の建設現場。同社は5月6日、新型コロナウイルスの影響で中断していた工事を再開すると発表した。写真は5月7日昼ごろの様子。現場では作業音も聞こえた(写真:日経クロステック)
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 政府は5月4日、同月6日までとしていた緊急事態宣言の期限を31日まで延長することを決めた。4月に工事中断を発表した主要建設会社では、対象期間を宣言終了の5月6日までに設定していたケースが多い。政府の宣言延長に伴い、各社の対応が注目されていた。

 清水建設は5月6日、他社に先駆けて工事再開の方針を発表した。「建設業における雇用の確保など経済活動の維持のために工事を進めることも重要」と判断。建設現場の感染防止対策を徹底したうえで、発注者と協議して、11日から本格的に現場を稼働させる。

 その後5月7日までに、鹿島や戸田建設、西松建設、奥村組、熊谷組などが次々と工事再開の方針を打ち出した。もともと工事中断期間を延長しない方針を掲げていた鹿島は除けば、「協力会社における雇用の確保」(西松建設)を工事再開の理由に挙げる建設会社が多い。

 国土交通省の赤羽一嘉大臣は4月以降の会見で、主要建設会社の工事中断について、建設現場で働く作業員の生活に配慮するよう繰り返し述べている。作業員の生活や地域経済への影響を懸念する報道も相次いだ。各社にとって、工事再開に向けた環境が整いつつあった。

 現実的な問題もある。各社は中断期間に作業員への休業補償を実施してきた。作業員に対して休業中の賃金を100%補償していた建設会社もある。緊急事態宣言の延長に伴って中断期間を延長すれば、その負担が重くなる。建設業界では「緊急事態宣言が本当に5月31日で終わるのかどうか分からない」との疑心暗鬼も渦巻いている。