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 国土交通省中部地方整備局は、新型コロナウイルスの流行下での大規模な水害発生を想定した訓練を行う。内閣府や三重県、防災科学技術研究所などが参加し、2020年5月24日にインターネット上で実施する。梅雨入り前に、新型コロナの感染拡大と大雨などが重なる「複合災害」に備える。

1959年に東海地方に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風の様子。豪雨や高潮の影響で多くの堤防が決壊した。国土交通省中部地方整備局は長年、伊勢湾台風を教訓に大規模水害の対策や訓練を重ねてきた。2020年5月24日の訓練でも、高潮による浸水の予測を行う予定だ(写真:国土交通省中部地方整備局)
1959年に東海地方に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風の様子。豪雨や高潮の影響で多くの堤防が決壊した。国土交通省中部地方整備局は長年、伊勢湾台風を教訓に大規模水害の対策や訓練を重ねてきた。2020年5月24日の訓練でも、高潮による浸水の予測を行う予定だ(写真:国土交通省中部地方整備局)
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 同整備局は毎年5月下旬、中部地方の自治体や消防団などと共に、水防法に基づく防災訓練を行っている。20年は三重県桑名市で実施する予定だった。しかし、新型コロナの流行で通常の訓練を中止。代わりに、国や自治体など関係機関がネットを使って、複合災害を防ぐための情報共有や意思決定の演習に取り組むことにした。

 新型コロナ流行下で水害が発生した場合、避難住民の間で感染が広がらないよう、避難所の3密(密閉、密集、密接)状態を避けなければならない。その手法の1つが、避難所を通常よりも多く設けて住民を広く分散させる「広域分散避難」だ。

 広域分散避難では、住民を最寄りの避難所ではなく、自宅から離れた遠方の施設に誘導する必要がある。そのためには、自治体が通常の災害よりも早い段階で住民に避難の勧告や指示を出さなければならない。

 現在、国が1級河川で自治体などに提供している洪水予報は、6時間先までの情報にとどまる。広域分散避難の実施に向けて、さらに長期の予測を求める声も出ている。