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 トンネルの工事現場で、高所作業車のバケットの操作ミスとみられる死亡事故が相次いでいる。2020年5月中旬に北海道新幹線で発生した他、1月下旬には中部横断自動車道でも起こっている。いずれも60代のベテラン業員が亡くなった。

国土交通省甲府河川国道事務所が建設を進めている中部横断自動車道のトンネル工事現場で、2020年1月に起こった高所作業車の死亡事故のイメージ。アームを操作していた作業員が誤ってバケットを上昇させ、天井との間に頭を挟まれた(資料:厚生労働省山梨労働局)
国土交通省甲府河川国道事務所が建設を進めている中部横断自動車道のトンネル工事現場で、2020年1月に起こった高所作業車の死亡事故のイメージ。アームを操作していた作業員が誤ってバケットを上昇させ、天井との間に頭を挟まれた(資料:厚生労働省山梨労働局)
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 北海道新幹線で事故があったのは、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が北海道倶知安町で建設を進めている二ツ森トンネルの鹿子工区の現場だ。施工者は、熊谷組・大本組・橋本川島コーポレーション・和工建設JV。

 倶知安署や鉄道・運輸機構によると、5月12日午後2時15分ごろ、高所作業車のバケットに乗っていた男性作業員(66歳)が天井と作業台の間に体を挟まれた。すぐに町内の病院に運ばれたが、13日未明に死亡が確認された。

 男性は当時、トンネルの入り口から約4kmの地点で、高さ約8mの天井に照明器具を取り付ける作業をしていた。自らアームを操作していた男性が誤って、バケットを上昇させたとみられる。倶知安署などが詳しい事故原因を調べている。

 二ツ森トンネルは総延長1万2630mで、鹿子と尾根内、明治の3つの工区から成る。事故のあった鹿子工区は延長4780mで、15年12月に工事に着手。22年12月の完成を目指している。20年5月1日時点の工事進捗率(掘削率)は76.7%。

 鹿子工区では17年8月22日にも、天井からコンクリート片が落下して作業員が重傷を負う事故が発生している。同じ工区で死傷事故が相次いでいる問題について、発注者の鉄道・運輸機構は高所作業車の事故原因がまだ不明との理由で対応を明らかにしていない。

北海道新幹線二ツ森トンネルの位置図。赤丸は日経クロステックが加筆(資料:倶知安町)
北海道新幹線二ツ森トンネルの位置図。赤丸は日経クロステックが加筆(資料:倶知安町)
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