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 2020年3月期決算で、大成建設、鹿島、清水建設、大林組の大手4社の後じんを拝してきた準大手の五洋建設が、単体の土木売上高で2位に浮上した。海外工事の売り上げで大手各社を圧倒したのが大きな要因だ。大手4社が上位を独占する「4強体制」に準大手が割って入るのは、熊谷組が3位となった02年3月期以来18年ぶり。

東京都文京区にある五洋建設の本社(写真:日経クロステック)
東京都文京区にある五洋建設の本社(写真:日経クロステック)
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 五洋建設の20年3月期の単体土木売上高は、前期比13.3%増の3188億円。鹿島、清水建設、大林組の大手3社を300億円以上も上回り、首位の大成建設に26億円差と肉薄した。

 20年に予定していた東京五輪やインバウンドの関連需要を取り込み、国内土木の売り上げが1944億円と前期比で12.7%増加。シンガポールなどで手掛ける大型工事が順調に進捗し、海外土木の売り上げも1245億円と同14.1%増えた。同社の単体土木売上高が3000億円を超えるのは1998年3月期以来22年ぶりだ。

 2020年3月期は、新型コロナの問題が顕在化したとはいえ、主要建設会社の決算は平時の実力をおおむね反映したとみられる。新型コロナが世界的に流行し始めたのは20年2月に入ってからだ。そのため、主要建設会社は年間を通じて国内外の建設現場をほぼ通常通り稼働できた。各社とも新型コロナの業績への影響は限られている。

 五洋建設の場合、土木では売り上げに占める海外の比率が約4割と高く、国内外ともに13%前後の高い伸びとなった。大手4社を合わせた上位5社で、国内外の土木売上高がいずれも前期を上回ったのは五洋建設だけだ。

 国内土木の官公庁工事の出来も各社の明暗を分けた。五洋建設が同工事の売り上げを前期よりも19.2%増やした一方で、鹿島と清水建設、大林組の大手3社は前期を下回った。特に、鹿島は前期比で21.4%の大幅な減少となった。

単体土木売上高の上位5社の決算内容。五洋建設では、大手4社を圧倒した海外工事に加え、国内官公庁工事でも売り上げが大幅に増えた。各社の決算資料を基に日経クロステックが作成
単体土木売上高の上位5社の決算内容。五洋建設では、大手4社を圧倒した海外工事に加え、国内官公庁工事でも売り上げが大幅に増えた。各社の決算資料を基に日経クロステックが作成
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