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 気象庁は、本格的な梅雨入りを前に、大雨特別警報の発表基準を見直す。既に災害が発生した可能性がある「警戒レベル5」の状態をより的確に表すため、土砂災害の危険度を示す土壌雨量指数などを用いた新たな基準を設定。2020年の出水期(6~10月)から適用する。

伊豆大島(東京都大島町)では、2013年10月の台風26号による土砂災害で39人の犠牲者が出た。島しょ部のような狭い地域では、大雨特別警報を発表できないことが問題視されていた(写真:日経コンストラクション)
伊豆大島(東京都大島町)では、2013年10月の台風26号による土砂災害で39人の犠牲者が出た。島しょ部のような狭い地域では、大雨特別警報を発表できないことが問題視されていた(写真:日経コンストラクション)
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 大雨特別警報は、災害の危険度を示す「警戒レベル」で最も高いレベル5に当たる。自治体による避難勧告・指示(レベル4)の状況をはるかに超える場合に発表する。発表時には、何らかの災害が既に発生している可能性が高い。

 従来の発表基準では「3時間降水量および土壌雨量指数において、50年に一度の値以上となった5km格子が、共に10格子以上まとまって出現」などの要件を満たす必要があった。降水量と土壌雨量の両方を指標として用いていた。

 しかし、降水量の指標を用いると、特別警報の対象が広範囲に及ぶ傾向があった。対象地域には、災害発生の危険性が低い箇所も含まれる。例えば、降水量が多くても、地盤が強固であれば、土砂災害が発生しない可能性がある。反対に、地盤が脆弱であれば、降水量が少なくても、土砂災害が発生する可能性がある。