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 パシフィックコンサルタンツは、オリエンタルコンサルタンツグローバル(東京・新宿)、ソフトバンクと共に、米国で道路のメンテナンス事業を手掛ける合弁会社を設立した。専用の測定車を走らせず、一般の車両からインターネットを通じて収集したデータを用いて路面性状を診断する。

アイプローブの事業イメージ(資料:パシフィックコンサルタンツ)
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アイプローブの事業イメージ(資料:パシフィックコンサルタンツ)

 設立した合弁会社「アイプローブ」(米バージニア州マクリーン)が活用するのは、ネットにつながる「コネクテッドカー」と呼ばれる車両だ。既に大手自動車メーカーが自社の車両に各種センサーや通信機器を搭載し、ネットワークを介してリアルタイムで位置や速度といった情報(プローブデータ)を収集。利用者に渋滞情報などを提供するサービスを展開している。

 アイプローブでは、自動車メーカーと提携してプローブデータを入手する考えだ。コネクテッドカーが標準で備えているセンサーの情報を利用する。路面性状の診断には振動情報などの利用が考えられるが、同社では「どのデータを使うかは公表していない」(大島大輔COO兼CTO)。

 アイプローブは集積したプローブデータを基に、道路の陥没やひび割れ、ポットホールといった異常を検出。路面の損傷度合いを評価する。補修の優先順位をつけやすいよう、地図上に段階別で配色。これらの情報を、米国の自治体など道路管理者に提供する。

 専用の計測機器を積んだ路面性状測定車と比べると、コネクテッドカー1台から得られる情報は少ない。しかし、多くの車両から収集した大量のデータを解析すれば、精度の高い診断が可能になるという。コネクテッドカーの普及が進めば取得する情報量が増え、道路の異常を早期に発見できるようになる。

 米国では、道路の点検や補修が老朽化の進行に追いついていないのが現状だ。州間高速道路は年に1回、路面性状を調査するが、通常の道路は4、5年に1回にとどまる。メンテナンスを効率化する新技術への高いニーズがあった。