道路新設工事が不審を招く
府中市によると、行政管理部契約課の職員が道路新設工事の入札結果に疑念を抱いた。市は以前から工事の予定価格を事前に公表していない。工事入札では、全参加者の入札額が予定価格を上回って不調となるケースが少なくない。参加者の入札額が最低制限価格と一致する例は近年ではなかった。
道路新設工事の開札当日の19年9月11日には、他に水路と公園フェンスの2件の改修工事の開札が行われた。池田土木は、それら3件の入札に全て参加していたが、1円単位の金額を投じたのは道路新設工事だけだった。15年度から19年度までの5年間に実施された土木工事の公募型指名競争入札では、他社も含め、1円単位の金額を提示したケースはなかった。
不審に思った職員が他の入札も調べると、半月ほど前の8月28日に開札された公園拡張工事で落札額と最低制限価格との差がわずか9円だったことが分かった。落札した府中植木の工事費内訳書に問題がなかったため、市は1週間ほど前の9月3日に契約を締結していた。しかし、道路新設工事の入札結果を受け、改めて調べる必要があると考えた。
この公園拡張工事は2期に当たり、1期は10カ月近く前の18年11月2日に開札が行われた。1期を受注したのは池田土木で、落札額は8599万8800円。最低制限価格を470円上回るにすぎなかった。