国土交通省は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、飲食店などが店先の路上に椅子やテーブルを設置して営業を続けられるように、道路占用の許可基準を特例で緩和する。一定の要件を満たせば、施設付近の清掃を条件に2020年11月30日まで無償で占用を認める。
赤羽一嘉国交相が20年6月5日の会見で、新型コロナ予防の緊急措置として説明した。国交省は同日、同省の地方整備局や北海道開発局、都道府県や政令市などに通知した。
飲食業界では「3密(密閉、密集、密接)」を防ぐため、風通しの良い店先の路上にテラス席や持ち帰り用の売り場を設けたいとのニーズが高まっている。
そこで国交省は、店先の歩道を利用する場合、原則として幅2m以上(通行人が多い歩道は幅3.5m以上)の歩行空間を確保すれば、路上にテーブルなどの仮設施設を置いた営業を認める。その他、路面を傷つけたり周辺の景観を損ねたりしないよう求め、十分な駐車場の確保や道路清掃なども課す。
自治体や商店街振興組合などの民間団体が複数の飲食店を取りまとめ、営業ルールを決めたうえで、道路管理者に占用許可を申請する。自治体などが一括して占用する形を取り、個別店舗ごとの申請は認めない。