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 東京・神田川に架かる国道4号の和泉橋で、横桁に腐食による欠損が見つかり、歩道側の1車線が通行止めになった。橋を管理する国土交通省東京国道事務所は、2015年に実施した1巡目の定期点検で横桁の腐食を確認し、早期に補修が必要な「III」と判定。補修の設計に着手していたが、想定を超える速さで損傷が進んだ。20年6月15日に実施した2巡目の定期点検で異常を発見。応急復旧を施して7月1日に通行を再開した。

腐食で欠損した横桁。橋面からの漏水が原因とみられる。フランジ直下に配管が通るなど、点検や補修がしにくい構造だ(写真:国土交通省東京国道事務所)
腐食で欠損した横桁。橋面からの漏水が原因とみられる。フランジ直下に配管が通るなど、点検や補修がしにくい構造だ(写真:国土交通省東京国道事務所)
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 和泉橋は、1930年に完成した全長36mの上路式鋼単純アーチ橋だ。上下線合わせて6車線で、両側に歩道がある。鉄筋コンクリート製の床版を支える格子状の縦桁と横桁のうち、橋軸方向の端部に位置する横桁のウエブが幅100cm、高さ10cmほど欠損していた。ウエブ高21.6cmの半分程度を失った格好だ。

 横桁の欠損は、橋の両端部で1カ所ずつ見つかった。いずれも下り側の左折車線と歩道との境界の直下だ。橋面と橋台背面をつなぐ伸縮装置からの漏水で腐食したとみられる。伸縮装置下部の止水パッキンが損傷し、路面にたまった雨水が直接、桁下に入り込んでいた。横桁のフランジにも腐食が広がっていたが、欠損には至っていない。

 東京国道事務所は15年の点検の結果を受け、腐食した横桁のウエブと鋼板をボルトで一体化する当て板補強などの設計に着手。管理する他の橋の劣化状況を踏まえて優先順位を定め、予算内で順番に補修する計画だったという。和泉橋については、腐食の進行が限定的ですぐに通行に支障が生じるほどではないと判断し、補修を後回しにしていた。「わずか5年でここまで腐食が進むのは珍しい」(東京国道事務所管理第二課)

和泉橋の全景。秋葉原駅や神田駅に近く、交通量が多い。桁端部で補修のための足場を設置している。2020年7月1日に撮影(写真:日経クロステック)
和泉橋の全景。秋葉原駅や神田駅に近く、交通量が多い。桁端部で補修のための足場を設置している。2020年7月1日に撮影(写真:日経クロステック)
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