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 国土交通省は、自然災害の多発を受け、地域住民や企業などと一体となった新たな防災・減災対策プロジェクトを推進する。2020年7月6日に「国土交通省防災・減災対策本部」(本部長:赤羽一嘉・国土交通相)の会合を開き、遊水地の整備や土地利用の規制など地域全体で水害対策に取り組む「流域治水」をはじめ、「いのちとくらしをまもる」をテーマに10の施策を取りまとめた。

国土交通省防災・減災対策本部の本部長を務める赤羽一嘉・国土交通相。「国民の目線でプロジェクトを進めていく」と話す(写真:日経クロステック)
国土交通省防災・減災対策本部の本部長を務める赤羽一嘉・国土交通相。「国民の目線でプロジェクトを進めていく」と話す(写真:日経クロステック)
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 水害対策では、堤防強化など従来のハード整備に加えてソフト対策を強化する。例えばダムの運用では、発電や農業用途の利水用水を降雨前に放流して貯水容量を増やす仕組みを20年5月までに構築した。田んぼやため池も治水に用いて河川の氾濫を防ぐ。

 民間企業に対しては、事業継続計画(BCP)の作成や工場などの浸水対策を促進。不動産の取引に際して水害リスクの説明義務を課す。20年度は、3次元地図を使って水害リスクを分かりやすく発信する取り組みを30~40の都市で先行して始める。

 さらに、気候変動による降雨量の増加に対して、河川や下水道、港湾施設の整備計画を見直す。16年のパリ協定などに基づき、世界の平均気温が2100年までに2℃上昇すると想定。その場合、降雨量が従来の1.1倍、洪水発生頻度が2倍に増えると設定し、技術基準の見直しや堤防のかさ上げなどに着手する。