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新東名高速道路の豊田東ジャンクション(JCT)付近の高架区間を見上げる(写真:住民側弁護団)
新東名高速道路の豊田東ジャンクション(JCT)付近の高架区間を見上げる(写真:住民側弁護団)
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 新東名高速道路の建設で生じた日照被害を巡る裁判で、名古屋高裁は近隣住民による賠償請求を退けた一審判決を取り消し、中日本高速道路会社に対して1世帯3人にそれぞれ55万円支払うよう命じた。冬至の日影時間を基に補償は不要とした同社の主張を認めず、日陰になる時間が最も長い時期で判断した。

 判決日は2020年7月30日。中日本高速は上告を断念した。

 訴えていたのは、愛知県豊田市内の新東名高速豊田東ジャンクション(JCT)付近の住民。日照被害が受忍限度を超えたとして16年に提訴したが、一審で敗訴していた。

 高裁判決によると、3人が住む住宅の日影時間は、冬至には1時間程度で済む。しかし、春分や秋分の頃には住宅が高速道路の橋桁の影に入るため、日影時間が午前8時30分ごろから午後4時ごろまでの7時間程度に及ぶ。

 国土交通省が各地方整備局に対し、旧建設省の通達を改正し03年に出した通知「公共施設の設置に起因する日陰により生ずる損害等に係る費用負担について」では、冬至の日影時間が3~5時間に及ぶ住宅の住民を補償の対象とする。中日本高速はこの通知に準拠して、3人の住民を補償の対象から外した。一審の名古屋地裁岡崎支部は同社の主張を認め、住民の賠償請求を退けた。