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 豪雨の際の避難情報などについて検討している政府の中央防災会議の作業部会は、「避難勧告」と「避難指示」を一本化する案をまとめた。両者は災害の危険性を示す5段階の「警戒レベル」で同じレベルに位置付けられており、違いが分かりにくいとの指摘があった。2020年8月21日に中間取りまとめを公表した。21年の通常国会で、避難情報を規定している災害対策基本法の改正を目指す。

避難情報見直しの方向性
避難情報見直しの方向性
(資料:内閣府)
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 自治体は、対象地域の住民全員に避難を求める際に避難勧告、さらに危険度が高まった場合に避難指示を出す。しかし、19年の台風19号の被災者を対象に内閣府が実施したアンケートによると、勧告と指示の両方を正しく理解している人は18%にとどまった。

 避難勧告と避難指示の2段階に分かれていると、「勧告」が発令されても、次の段階の「指示」が出るのを待って逃げ遅れる人がいるとの指摘がある。19年5月の警戒レベル導入に当たって、勧告と指示を同じレベルに設定するか、異なるレベルにするかが議論された。その際、勧告の段階で全員避難すべきであることを明確にするため、両者を同じレベル4に設定した経緯がある。

 専門家の間では以前から勧告と指示の一本化を求める声が出ていたが、警戒レベル導入の際にはそこまで踏み込まず、議論を先送りしていた。

 内閣府が全国の自治体にアンケートを実施したところ、「レベル4に勧告と指示の両方が位置付けられており、住民に分かりにくい」との回答が68%に上った。ただし、一本化への賛成意見だけでなく、住民に重ねて避難を促すために2段階の情報が必要だとの声もあった。

 作業部会の中間取りまとめでは、避難勧告を廃止して避難指示に一本化。そのうえで、従来の避難勧告のタイミングで、避難指示を出すよう提案している。