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 鹿島はOKI(沖電気工業)と共同で、最大16カ所に設置したグラウンドアンカーの張力を、1台の計測器で連続して把握するシステムを開発した。アンカーのストランドに組み込んだ光ファイバーを利用する。

■光ファイバーで地山変動の予兆を検知
■光ファイバーで地山変動の予兆を検知
(資料:鹿島)
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■16本の光ファイバーによるひずみ分布を1台の計測器で連続把握
■16本の光ファイバーによるひずみ分布を1台の計測器で連続把握
個々のアンカーと切り替え装置をつなぐ光ファイバーの長さは、最大で5kmまで延ばせる(資料:鹿島)
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 アンカーの張力分布の変動を光ファイバーによって計測。アンカーを設置した地山で崩壊などが起こる予兆を検知できる。

 鹿島は同じ原理のアンカー張力計測システムを2017年に住友電気工業など3社と共同で開発した。ただし、このシステムは1台の計測器に一度につなげる光ファイバーが1本だけだったため、複数箇所に設置したアンカーの張力を計測するにはいちいちつなぎ替える手間を要した。狭い範囲の地山の変状をスポット的に把握するのに適したシステムだった。

 新開発のシステムでは、切り替え装置を介することで最大16本の光ファイバーを接続できる。この装置が計測対象の光ファイバーを約20秒間隔で1本ずつ切り替えて、連続計測を実現。地山の変状を広範囲にわたってリアルタイムで面的に把握できるようになった。計測データをクラウド上に転送して、遠隔地からのモニタリングが可能だ。

 17年に開発したシステムに切り替え装置と計測データを保存するパソコンやソフトウエアを加えたことで、設置と使用に要するコストは2~3割ほど増える。