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 政府が2018~20年度の予算に盛り込んだ防災・減災の特別枠「国土強靱化のための3カ年緊急対策」の支出が進んでいない。19年度当初予算に計上した費用の支出率は、年度末時点で53.6%にとどまる。自治体などは期限の延長を求めているが、支出の遅れが続けば、対策の見直しを求める動きが強まる可能性がある。

公共事業の執行状況(資料:財務省)
公共事業の執行状況(資料:財務省)
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 3カ年緊急対策は、18年7月の西日本豪雨を踏まえ、同年12月に決定した。20年度までの3年間に、財政投融資を含む総額約7兆円を投じ、防災・減災に必要なインフラ整備を進める。「臨時・特別の措置」は、そのために設定した予算の特別枠だ。

 国土交通省の関係予算は、3年間で総額2兆538億円に上る。19年度当初予算では臨時・特別の措置で7308億円を計上した。

 財務省は20年10月19日に財政制度等審議会の歳出改革部会を開催。3カ年緊急対策の執行状況をはじめ、公共事業や建設業界を巡る現状と課題を確認し、今後の社会資本整備の方向性を検討した。

 財務省によると、公共事業の予算に対する支出率(年度末時点)は14~18年度の5年間で平均70.3%だった。19年度は66.1%で、過去5年平均よりも4ポイントほど低い。19年度の3カ年緊急対策の支出率は、その公共事業全体の割合をさらに12.5ポイント下回る。

 事業者との契約率(年度末時点)では、14~18年度の5年平均が86.7%、19年度が86.4%で、ほぼ同水準。19年度の3カ年緊急対策も82.3%で、大差はない。ただ、いずれも支出率との間に乖離(かいり)が生じている。19年度の3カ年緊急対策では、その差が30ポイント弱と大きい。