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 デジタル技術を駆使して業務や働き方などの改革を目指す国土交通省の施策「インフラDX(デジタルトランスフォーメーション)」が動き出した。同省が2020年10月19日に開いた「インフラ分野のDX推進本部」の第2回会合で概要を公表。本部長を務める山田邦博技監は会合の冒頭で「常識にとらわれず、国交省の文化や風土さえも見直していく」と意気込みを語った。

国交省は国民、建設業界、職員の3つの視点からインフラDXの施策を検討してきた(資料:国土交通省)
国交省は国民、建設業界、職員の3つの視点からインフラDXの施策を検討してきた(資料:国土交通省)
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 国交省が部局を横断して取り組むインフラDXでは、国民へのサービス向上や建設業界の労働環境の改善、職員の働き方改革などを目指して様々なデジタル技術の公募や開発、実証、導入を進める。その推進費として、20年度の第1次補正予算で177億7700万円を計上。21年度の概算要求には183億円を盛り込んだ。

 テーマの1つがロボットや人工知能(AI)の活用だ。産学官が連携して無人化・自動化施工の技術開発を促進する。作業者に装着して資機材の運搬などを補助するパワーアシストスーツの活用も検討。導入効果を測る指標を作り、20年度内の現場実証を予定する。AIの導入を急ぐのはインフラ点検の分野だ。コンクリート構造物の写真からAIでひび割れを検知する技術などで、点検技術者を支援する。

 インフラに関するデータの活用にも力を入れる。例えば、構造物などの3次元データを手軽に取得できるドローンや地上型レーザースキャナーの活用範囲を広げ、コンクリート構造物の出来形管理への適用を目指す。ドローンによる出来形管理は現在、土工事など許容誤差が大きい一部の工種での利用にとどまっている。