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 斜面対策の専門工事会社などで構成する斜面維持補修施工技術研究会は、老朽化した法面構造物の補修・補強工法をまとめたガイドラインを作成した。発注者や建設コンサルタント会社による補修の検討を後押しする。2020年10月20日に発表した。

作成したガイドライン。研究会の正会員は東興ジオテック(東京・中央)、日本基礎技術、日本植生(岡山県津山市)、日特建設、ライト工業の5社。今後、発注者や建設コンサルタント会社に向けた普及活動に取り組む(写真:日経クロステック)
作成したガイドライン。研究会の正会員は東興ジオテック(東京・中央)、日本基礎技術、日本植生(岡山県津山市)、日特建設、ライト工業の5社。今後、発注者や建設コンサルタント会社に向けた普及活動に取り組む(写真:日経クロステック)
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 ガイドラインが対象とする補強法面の工種は、モルタル吹き付けや鉄筋挿入など5つ。工種ごとに、変状事例を写真付きで整理している。効果的な補修方法が一目で分かるように、変状の内容や程度と、それぞれに応じた対策を一覧にまとめた。

 例えば、吹き付けモルタルで補強した地山のはらみ出しに対して、4段階の健全度で悪い方から2番目のIIIならば鉄筋挿入を選択。状態が最も悪いIVの場合はグラウンドアンカーによる補強が最適、といった具合だ。

 補強法面の診断を容易にするため、モルタルのひび割れ幅や剥離厚は、健全度の判定基準を数値で明示した。モルタルが剥離している場合は増し厚に加えて表面被覆を提案するなど、劣化が軽微なうちに対処する「予防保全」の手法も盛り込んだ。

 補修・補強工事の仮設について整理したのも特徴だ。供用中の道路に面した法面では、特殊な足場の構築などが必要になる。仮設の事例を紹介するとともに、適正な仮設費を計上する必要性について発注者に理解を求めている。