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 長崎県と佐世保市が推進する石木ダム建設を巡り、反対する住民らと事業認定した国が約5年間にわたって繰り広げてきた法廷闘争は、住民側の敗訴で決着した。

 最高裁は2020年10月8日、国の事業認定の取り消しを求める住民側の上告を棄却。国の勝訴が確定した。

石木ダム建設予定地付近(写真:長崎県)
石木ダム建設予定地付近(写真:長崎県)
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 一審の長崎地裁、二審の福岡高裁の判決はいずれも、国の基準や指針に基づいて作成されたダム事業計画などは妥当で、事業で得られる公共の利益は失われる利益に優越していると判断した。

 さらに、事業の完成による便益は高く、その効果は水道水の供給(利水)、洪水調節(治水)など地元住民の生命に関するものだと指摘。事業を早期に施行する必要性は高いと結論付けた。

 住民側は最高裁の決定を不当だと批判。今後も反対運動を続ける考えを表明した。住民側が工事の差し止めを求めて起こした別件の訴訟も係争中だ。

 石木ダム建設計画が持ち上がってから、およそ50年。司法は国の事業認定を適法と認めたが、ダム建設を推進する行政側と反対する住民側との対立は続いている。