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 施工管理技士の資格を不正に取得する事件が相次いだことを受け、受検資格を証明する企業側の責任を重くしたり、試験問題を見直したりするなどの対策がまとまった。国土交通省が設けた技術検定不正受検防止対策検討会(委員長:遠藤和義工学院大学副学長)の示した提言に基づき、同省が2020年11月10日に公表した。

 同検討会がまとめた提言では、2つの観点から9点の不正防止策を示した。国交省はこの提言に沿って対策を決めた。

■ 施工管理技士資格の不正取得防止に向けて9つの対策示す
観点 実施項目 実施時期や対応方針
理解不足による申請ミスの防止対策 (1)実務経験証明者に対して受検者の経歴などを示す根拠資料の保有を周知徹底 速やかに周知
(2)所属企業ごとに実務経験の証明を求める方法への見直し 受検者へ不利益が生じないような負担軽減策を検討したうえで見直し
(3)「受検の手引き」の記載内容の改善 21年度の試験から改善
(4)チェックリストの活用 21年度の試験から受検者と証明者に提出を求める
受検者および証明者による虚偽申請の抑止 (5)受検申請書類の電子申請化と既存データベースとの連携 種目間の実務経験の重複チェックや既存データベースによる実務経験の確認を目指し、受検申請の電子化を加速させる
(6)試験問題の見直し 模範解答の暗記では解答できないような問題への見直しを検討
(7)実務経験の証明に関する立ち入り検査の実施 20年度から実務経験の企業による証明に関して、建設業法令遵守推進本部活動に基づく立ち入り検査の検査対象に加えた
(8)企業名の公表 社会的影響が大きい事案では企業名を公表
(9)企業へのペナルティー強化の検討 監督処分の厳格化や罰則適用の可能性について検討を進め、指名停止の長期化も検討する
国土交通省の資料を基に日経クロステックが作成

 1つ目の観点は、受検者などの理解不足によって生じる申請ミスを防ぐというものだ。施工管理技士の資格を取得するための技術検定では、土木や建築といった複数の種目の試験を受ける際に、一部の種目を除いて実務経験の重複を認めていない。しかし、受検者や経歴の証明者がこのルールを理解せず、実務経験を二重計上して受検した例があった。

 こうした理解不足を防ぐために国交省は4点の対策を進める。1点目は、企業などに受検資格の根拠を確認できるような資料の保有を求めること。2点目は、受検者が転職しているような場合に、過去に勤めていた企業ごとに実務経験を証明してもらう方法への見直しだ。現在は、受検申込時に所属している企業が、全ての経歴を証明している。ただし、「過去に所属していた会社が倒産しているなど受検者に不利益となるような事態もあるので、実際の対策は慎重に検討していく」(国交省建設業課の竹村光司企画専門官)。

 3点目として挙げたのは、受検案内の資料に実務経験の要件などをより分かりやすく示すことだ。残り1点は、受検者と証明者が実務経験などの記載が誤っていないかを確認できるようなチェックリストの導入で、受検者と証明者の両方に提出を求める。

 4点の対策のうち、所属していた企業ごとに証明を求める対策以外は、21年度の試験から対応していく。