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 2022年度末に予定している北陸新幹線の金沢─敦賀間の開業が、工事の難航などのため遅れる見込みとなった。国土交通省は20年11月11日、同区間の開業が1年半延期される見通しだと与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームに報告した。併せて、総事業費は現在の約1兆4000億円から2880億円増額すると説明した。

北陸新幹線の加賀トンネルの坑口(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
北陸新幹線の加賀トンネルの坑口(写真:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
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 その日の報告で与党側の了承を得られなかったため、有識者で構成する検証委員会(委員長:森地茂・政策研究大学院大学名誉教授)を設置し、工期延長と事業費増額の見直しについて検討を委ねる。20年11月17日に第1回会合を開いた。検討結果を同年12月上旬に与党側に報告する予定だ。

 国交省鉄道局施設課は、「20年夏の時点では開業の遅れを2年とみていたが、工程の見直しなどで1年半に縮められると見込んだ」と説明する。検証委は、この工期短縮が無理なくできるか否かを含めて検討する。与党や福井県の政財界などが容認する期間にまでさらに縮められるかは、予断を許さない。

 北陸新幹線の金沢─敦賀間の開業予定は、15年1月に政府・与党申し合わせで、当初の25年度から3年前倒ししていた。

■加賀トンネルは石川と福井の県境に位置する
■加賀トンネルは石川と福井の県境に位置する
国土交通省の資料に日経クロステックが加筆
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 現在、難航している主要工事の1つが、石川県と福井県との県境をまたぐ延長5.5kmの加賀トンネルの掘削だ。

 トンネル工事は北、中、南の3工区に分かれる。北工区は大林組・東洋建設・宮地組JVが16年7月から、中工区は佐藤工業・みらい建設工業・IMKによるJVが16年3月から、南工区は清水建設・加賀田組・大鉄工業・高野組JVが15年12月から、いずれもNATM工法で掘削している。現時点の工期は北工区と中工区が20年12月まで、南工区は21年11月までだ。